Before (改善前)

レールガイドやスライドレールのような2mを超える長尺かつ、板厚が2mm以上の精密板金の中でも厚板の曲げ加工では、曲げ加工機(プレスブレーキ)の金型耐圧と機械耐圧を超えてしまう場合があります。曲げ加工機(プレスブレーキ)の金型耐圧や機械耐圧を超えてしまうと、曲げ加工そのものが出来ません。また、バックゲージを増やして曲げ加工を行うようにしても、長尺の精密板金加工品の場合は中心箇所の加工精度が出にくくなってしまう傾向があります。

V

After (改善後)

高い剛性が求められない長尺で厚板の精密板金部品であれば、スリットを入れて曲げ箇所を増やすることによって曲げ加工を行うことができます。スリットを入れて1度に曲げる距離を短くすることによって機械耐圧、金型耐圧に制限されません。また、曲げの箇所を増やし、1回の曲げの長さを短くすることによって、曲げ加工の精度を上げることも可能になります。特にレールガイドやスライドレールは高い加工精度が求められるため、このようなスリット追加は有効な加工方法です。

POINT(要約)

長尺の精密板金加工品はどうしてもたわみの発生や、中心部の加工精度の低下が発生してしまいます。上記のようにスリットを追加するなど、可能な限り加工の負担を低減させるような設計を行うことによって加工の限界値を下げ、加工精度を向上させることができます。