Before (改善前)

精密板金部品は小さな部品を取り扱うことが多くあります。特に、医療用機器・装置やOA機器、電子機器、電気機器などの産業用機器・装置は多数の薄板の小さな部品を溶接にて取り付け、組み立てられます。薄板の小さな板金部品をスポット溶接すると、溶接時の熱と圧力で板金部品の変形や、向きのズレの発生、部品が浮いてしまうことによって品質不良を引き起こしがちになります。また、こういった不良が起こると手直しにも大きく時間を費やさなければなりません。

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After (改善後)

例えば、スポット溶接にて薄板で小さな板金部品を溶接する場合には、スポット代として15mm程度のスペースを確保すれば、溶接熱や圧力による品質低下を防止することができます。産業用に使用される各種機器・装置は溶接による組み立てが必要になることが多くありますが、一方で高い品質が要求されるため品質不良や品質低下は避けなければなりません。溶接熱や圧力による変形やズレを考慮した設計を行うことで、余計な工程を追加せずに高品質な精密板金加工品を作ることができます。

POINT(要約)

精密板金加工は薄板・薄物を取り扱うことが多く、特に機器や装置類になると組み立て加工も発生します。組み立て加工方法は溶接や締結部品の活用、嵌め合いによる組み立てなど複数あります。溶接組み立てを行うと薄板・薄物の精密板金加工品は熱による歪みが発生しやすいので、歪みを最小限に抑えることも重要ですが、歪みを考慮した設計を行うこともポイントになります。