Before (改善前)

精密板金加工品のブランク加工を行う際に、複雑形状や異形状をしているためにレーザー加工にてブランク加工を行う場合があります。レーザー加工のアシストガスが酸素で加工を行うと、切断面に酸化被膜が発生してしまいます。そのため、レーザー加工後に溶接組み立てを行うと、酸化被膜によって切断面の溶接が行いづらくなります。また、溶接を行っても見た目がよくないため、溶接後に塗装やシルク印刷を行う各種機器や装置向けのカバーやケースなどの精密板金加工品には適さないこともあります。

V

After (改善後)

レーザー加工でのブランク加工を行う場合、アシストガスが高純度窒素のレーザー加工機にて切断を行うと酸化被膜が切断面にできにくくなります。また、切断面への溶接を行ってもきれいな仕上がりとなるため、溶接組み立て後に塗装やシルク印刷を行う精密板金品であっても、外観の品質も高く、製作することができます。特に、突き合わせに溶接にする産業用の装置・機器類の外装カバーなどは外観の美しさが求められることが多くあるので、こういった製品向けの場合には、高純度窒素のレーザー加工機でのブランク加工が好ましいことがあります。

POINT(要約)

一般的に、酸素のアシストガスを使ったレーザー加工の方が段取り、レーザー加工後のやすりかけの作業は、高純度窒素のレーザー加工に比べて少ないとされています。しかし、上記の様に、塗装やシルク印刷を行う精密板金加工品や外観が重視される製品の場合には、酸素のアシストガスを使ったレーザー加工が向いていない場合もあります。