Before (改善前)

OA機器や電子機器、電気機器に使用される、ケースやラック、カバーなどの精密板金加工品を溶接にて組み立てを行う際に、面突き合わせの形状が直線1本のみの突き合わせにて行う場合があります。溶接構造自体は単純ではあるのですが、線でしか板材同士が接していないため、溶接位置が不正確になりやすく位置精度のばらつきが発生しがちになってしまいます。また、無理曲げで付け合せの部分を加工する場合には、過剰に力がかかってしまい寸法ずれや変形を起こしてしまう場合もあります。

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After (改善後)

上記のように、面突き合わせの形状を変更することで、溶接の位置を正確に合わせ品質のばらつきを抑えることができます。また、溶接の難易度も下がり、作業性も向上するため、溶接時間の短縮にも繋げることができます。また、無理曲げを行う場合であっても、突き合せの部分に過剰な負担がかかることがないので、寸法ずれや変形を防止することができます。高い品質が求められる産業用機器・装置用の精密板金品は、如何にしてスペックダウンせずに品質を高める設計を行うかがポイントとなります。

POINT(要約)

隙間を発生させたくない、カバーやケース、ラックなどの精密板金加工品には、無理曲げが要求されることがありますが、本事例のように、形状を少し変更するだけで品質の向上を実現できます。使用目的を考慮し、設計検討を行うことが重要となります。